第44回日本母体胎児医学会学術集会長を拝命いたしました室月淳と申します.2022年 9月 2日(金)から 4日(日)までの 3日間,仙台で学術集会を開催させていただくことになりました.新型コロナウイルス感染の収束の見とおしはまだやや不確定ですが,今回は現地開催による発表と活発な意見交換ができるよう最大限つとめていく所存です.みなさまのご協力をぜひともよろしくお願い申しあげます.
21世紀にはいってゲノム医学の影響が高まり,産科医療自体もすこしずつ変化してきましたが,このコロナパンデミックはその変化を一層加速したようにみえます.本学会も「あり方委員会」での答申を受けて,これからの時代に向けて学会のあたらしい方向性をまさにさぐっているところだと思います.そこで今回の学術集会でもまったくあたらしい企画を考えました.メインテーマとして
”Controversies in Obstetrics”
(産科領域でのいくつかの論争)をかかげ,産科医療における6つのクリティカルな問題について,パネルディスカッション形式での徹底したディベートをおこないます.
6つのディベートのテーマは,「胎児心拍数モニタリングの5段階評価は是か非か?」,「切迫早産にたいするリトドリンの長期投与は是か非か?」,「妊産婦への漢方薬の投与は是か非か?」,「外来専門クリニックでのNIPTは是か非か?」,「胎児診断のこれからは超音波か?
ゲノムか?」,「妊娠糖尿病の現行の診断基準は是か非か?」となります.ディベートの指定演者はすでに決まりましたが,一般演題で関連するものもパネルディスカッションにいれることを考慮しています.これらのテーマにご関心のあるかたの演題応募もぜひお待ちしております.
一方で,前身である日本産科婦人科ME懇話会がつくりあげたよき伝統をひきついできたからこそ,いまの日本母体胎児医学会があるといえます.そこで本学術集会はこれまでの恒例にしたがって,参加者のネクタイやスーツの着用を禁止いたします.受付にははさみを用意して,ネクタイ着用者のネクタイはそこで切ってしまう予定です.どうかみなさまはカジュアルな服装でご参加し,そのかわり学術集会で熱いディベートをたたかわせていただくようお願い申し上げます.
2022年2月吉日
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