この度、2020年8月28日(金)、29日(土)に名古屋にて第43回日本母体胎児医学会学術集会および第10回日韓台母体胎児医学シンポジウムを開催させて頂くこととなりましたので、ひとことご挨拶させて頂きます。
我が国におきましては、社会情勢が変化に伴いましてハイリスク妊娠が増加するとともに、妊娠分娩に対するニーズも変化しており、ひとりひとりの妊産婦や胎児への手厚いケアが求められております。そこで今回のメインテーマは『私達に何が求められているのか 信託と挑戦』とさせて頂きました。まず、一般演題につきましては、妊産婦と胎児の医療に関わる研究・報告・提案等を広く募りたいと存じますので、積極的なエントリーをお願い申し上げます。特別企画と致しましては、1日目のパネルディスカッションで、『子宮頸管高度短縮例への対応』について全国のエキスパートの先生にご発表頂き、流早産のハイリスク例への対応についてのご議論を賜りたいと存じます。また、2日目のメインシンポジウムでは、『将来の分娩』をテーマとして自然分娩から無痛分娩まで、我が国の今後の分娩のあり方を分娩に関わる医療従事者全体で考察して参りたいと考えております。さらにランチョンセミナーは、超音波検査をはじめ臨床遺伝や最新の治療法に関するスペシャリストの先生にお願いし、特別講演では『我が国の臨床研究の将来』について文部行政のお立場からの展望をお示し頂く予定でおります。
従来、本学会はメディカルエンジニアリングとしての分娩監視や超音波診断を中心に議論して参りましたが、現在では臨床遺伝・胎児治療・母体管理を含めた周産期医学全体を網羅するようになりました。特に今回は、医学者(M)と工学者(E)に加えまして、助産師や臨床検査技師をはじめとしたメディカルスタッフの皆さんにも参加して頂けますよう、特に2日目のメインシンポジウムに引き続き、ランチョンセミナーとして胎児出生前診断のうち心臓の診方、さらにはスポンサードセミナーとして超音波検査による胎児付属物の観察・分娩監視装置による胎児モニタリング・母体救急としての出血への対応についての講演を組ませて頂きました。
また、本学会と併催の日韓台周産期シンポジウムにつきましては、近隣の台湾と韓国の周産期医学の架け橋として、医学のみならず国際交流の場と致したいと考えておりますので、皆様の積極的なご参加を賜りたいと存じます。
私にとっての日本母体胎児医学会は、1989年に初めて参加させて頂いて以来、最も親しみがあり、多くの薫陶を受けて参りました。はなはだ浅学非才ではございますが、妊産婦と胎児の現在そして未来を創造する為に有意義な議論と学びの場を提供させて頂きたいと存じますので、母体と胎児に関わっておられる多くの医療従事者の皆様のご参加をお待ち申し上げております。
|