日本母体胎児学会会長を拝命いたしました長良医療センターの川鰭市郎です。学会名称を変更して3年目、ようやく新名称にも馴染みができてきたところではないでしょうか。これまで幹事会では本学会が果たすべき役割についてこれまで議論を重ねてきました。その結果、会員数の増加を目指す意味も含めて、若い産科医や助産師、看護師の教育に力を注いでいくという方向性を確認しました。すでに超音波セミナーが開催されていますが、今年度は胎児心拍モニタリングの講習会も実施していくことになりました。会員の皆様には若い先生方にこのセミナーへの参加を促していただき、産科医療の充実を目的に日本母体胎児学会で共に学ぶ仲間が増えていくようにご協力をお願いいたします。
さて、次回の学会は岐阜長良川河畔で開催いたします。地方都市ですので洗練された運営など望むべくもありません。まして地方の小さな病院が主催するのですから、華麗なおもてなしは夢のまた夢でしょう。せめてのおもてなしに岐阜の夏の風物詩、鵜飼いにご案内したいと考えています。わずか7名の医師しかいない当科ですが、幸い共に診療にあたる看護スタッフや薬剤師、放射線技師に恵まれています。この仲間達と力を合わせて、長良医療センター周産期診療部が一丸となってみなさんをお迎えしたいと考えています。
学会では「電子カルテと周産期医療」というテーマで、おおいに議論したいと考えています。国内で普及して来ている電子カルテは果たして周産期医療に役に立っているのでしょうか。思いの丈を語り合いましょう。その中から、周産期医療における電子カルテのあるべき姿を模索したいと考えています。もちろん従来通り症例報告や研究発表も歓迎いたします。また本学会主催の超音波や胎児心拍モニタリングセミナーのダイジェスト版も併催したいと考えています。その他にも参加していただいた皆さんの心に残るような企画をみんなで考えています。
また次回は第21回日台産婦人科周産期超音波シンポジウムを併催いたします。すでに20年の歴史をもつこの会を、第9回日韓産婦人科超音波シンポジウムと併催したいと考えています。台湾韓国から大勢の先生方をお迎えします。季節は8月。ここは岐阜を離れて、盆踊りで全国に名を馳せる郡上八幡で開催したいと思います。地元のご協力もいただいて、郡上踊りの輪に皆さんを巻き込んでいきたいと思っています。
長良医療センター周産期診療部が総力をあげてお迎えいたします。どうか岐阜で、郡上八幡で、暑い夏の日に熱い議論を交わしていこうではありませんか。この議論を機会に、母と子の医療を支える仲間が増えることを心から願っております。
最後に一言。暑い夏に暑い岐阜で開催される学会です。ネクタイは厳禁です。アロハや浴衣、甚平、作務衣などは歓迎します。服装を気にせず、ME学会改め日本母体胎児学会らしい楽しくも熱い議論の場となることを楽しみにしています。
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