大会を終えて

 

 

  

 

 第29回日本産科婦人科ME学会長

金山 尚裕

浜松医科大学 産科婦人科学教室 教授


日本産科婦人科ME学会の皆様

この度は第29回日本産科婦人科ME学会を開催し大過なく終了することができ安心しています。これも一重に会員の皆様のご協力の賜と深謝いたします。

学術集会は梅雨の末期の開催で、初日は曇天でしたが、2日目は浜松らしい海風が吹く天候となりました。浜松での開催は、第16回産婦人科ME懇話会以来13年ぶりの開催でした。2日間での参加者は153名と共催集会がない学術集会としては多くの参加者があったのではないかと思います。

一般講演は30題をいただき例年どおり熱い議論で大変盛り上がりました。2つの会場とも時間延長でした。シンポジウムは近赤外線の医学とIUGRの2つでした。なじみの少ないと思われた近赤外線のセッションは意外と質問も多く、「本学会に新しい息吹を」と意気込んでいた主催者としては満足しています。IUGRは臨床的な発表が多かったためか質問も多く、とことん議論するというME学会のよさが充分出たシンポジウムでした。特別講演は寺尾俊彦先生に産科の止血について講演を賜り、産科出血の診断プロセス、手術体位、緊急の止血法、DICの対応など極めて臨床的で有意義な内容で多くの会員に感銘を与えました。

新しい企画として周産期のトピックスを話し合う昼食会はどの会場も出席者は多く、face to faceでリラックスした雰囲気で話し合いが進んだようでした。また今回奨励賞を設定しましたが、香川大学の原量宏先生と東北大学の斉藤昌利先生が見事受賞されました。両先生の素晴らしい発表にあらためて敬意を表したいと思います。

明年はいよいよ本学会も30回を迎え、節目の学会となります。幹事会で日本産科婦人科ME学会をより飛躍させるための様々な方策が提案され、いくつかは実行にむけてワーキンググループで検討されることになりました。本学会を主催し、表面的議論で流れる学会が多い中、本音で議論できる数少ない学会であることを再認識し、益々この学会を大切に育てて行きたいと痛感いたしました。

皆様本当にありがとうございました。

2006年8月